分裂乳頭の合体: 生まれつき2つに分かれていた乳頭を一つにしました。
右は術後10日目、全抜糸後です。乳輪も丸くなりました。
乳輪乳頭の形を整える手術を行っています。
陥没乳頭の他、大きすぎたり数が多かったり形が不正である場合なども修正可能です。
体質によって粘膜部分に色素沈着を起こしたり、逆に白い線状の傷跡として残ってしまうことがあります。
小さいものを大きくするのは一般的に難しいですが、症状によっては可能なことがあります。
陥没乳頭は授乳障害の原因となるため重症の場合は妊娠前に手術した方が良いでしょう。
乳房の発育に比べて乳管の延長が悪く、乳管の周囲にある索状組織(固い紐状の組織)が乳首を乳房内部に引き込むのが原因です。
軽く手で引き出すだけで出てくる軽症のものは手術しないで保存的に改善することもできます。
通常は引き出した乳首が再び引き込まれないように周囲の皮膚をZ形成で寄せて首を細くするような手術(例:難波法による手術)を行ないます。これは比較的簡単なので、美容外科などでも行なわれることがあります。
乳首の根本を縫い縮めるだけでは引き込む力に負けて再発することがあります。より重症な場合は引き出す困難さの程度に応じて術式を選択します。よく行われるのは乳頭を2分割して開き、乳管を奥に引っ張っている固い組織を乳管から剥がして切除する手術です。再発防止のため乳頭の下部に真皮弁を引き込むなどして支持組織を作成する必要があり、比較的高度の技術を要します。(例:酒井法による手術)
乳房の中央に深い穴があいたような、乳頭が全く見えない重症のもの(乳頭欠損)は、やや広い切開から乳管の走行を追いかけて剥離し、形を整えて皮膚を巻き付けるなど、新たに乳頭を作成する必要があります。乳管をできるだけ延長し、再び引き込まれないように形成するのは身長差を必要とし時間がかかります。
縫合した傷はあまり目立たない事が多いですが、体質によっては細い線状の筋が残ることがあります。左右揃った形のよい乳頭を作成するには、症状にもよりますがある程度の経験が必要です。また後戻りしないように圧迫を避け、周囲を綿花やスポンジなどで保護して傷が固まるのを待つ必要があり、術後1ヶ月程度は乳輪部にスポンジやテープなどを貼り続けておく必要があります。
当院では症状によりいくつかの術式を選択し、あるいは組み合わせて治療を行います。高度な陥没乳頭(乳頭欠損に近いもの)まで含めて、様々なケースの経験があります。
手術料: 片側 220,000円〜330,000円程度 ※症状により応相談
乳頭が大きすぎたり変形している場合に形を整える手術です。分裂乳頭(片側に2つ以上ある)の減数、合体手術なども行います。
必要に応じて皮弁形成や植皮などを行なうこともあります。将来授乳が必要かどうかでいくつかの術式のうちから最適なものを選択します。
乳頭が比較的短期間に非常に大きくなったり複数に分裂したようになった場合には、乳頭部の皮膚腫瘍が疑割れることがあり、一部を切除して組織検査を行なうこともあります。
通常は美容的に形よく形成する事が要請されるため美容外科での自費手術となります。形を保つための支持結合組織の発育が悪い場合があり、縫い合わせるだけでは形が保てなかったり術後に再び変形し大きくなる方もいます。
術後は形を安定させるために周囲にスポンジや綿花などを置いて1ヶ月程度は継続的に圧迫する必要があります。痛みは通常軽度ですが、敏感な場所なので人によっては気になるようです。形態が安定するまで数ヶ月の経過観察が必要となります。
手術料: 片側 220,000円〜330,000円程度 ※症状により応相談
授乳が必要ない場合は、単純に小さい方を切除したり、皮弁を組み合わせて丸く縫い合わせることで形の良い乳頭を作成できますが、将来授乳の可能性がある場合はそれぞれの乳管を温存して束ねる必要があり、場合によっては形より機能を優先せざるを得ないこともあります。
皮膚や乳管の性状や長さに応じて術式を選択します。上記と同程度の自費治療になります。
乳輪が大きく広がっている場合、ドーナツ上に皮膚を切除するか中心部を縫い寄せるかなどいくつかの方法が考えられます。粘膜と皮下組織が非常に脆弱になり引っ張ると伸びる場合などは、単に切除して縫い縮めるだけでは再拡大することがあり、吸収されにくい埋没糸などを使って皮下で長期間巾着絞りのように固定するなど、皮膚粘膜の伸びを防ぐ工夫が必要になります。皮膚の性状や大きさに応じて術式を選択します。
自費治療になります。埋没糸が露出したり一部が伸びて形が変形したりといった合併症が比較的起こりやすく再手術が必要になることもあります。技術的な過失によらない場合は、再手術の際にも手術費用が発生します。
手術料: 片側 220,000円〜330,000円程度 ※症状により応相談
副乳は比較的多い先天性の疾患です。脇の下から腹部にかけての乳房のライン上に生まれたときからあります。
無症状のことも多いのですが、生理の周期にあわせて腫れたり痛みを覚えることもあります。腋窩または乳房の外側上方に小さな赤ちゃんの乳首のようなできものがあることが多く(副乳頭)そうした場合は視診と触診で概ね診断がつきます。
生理や妊娠時に乳汁が出てくるような乳腺の大きく発育したものや、主要な乳房の乳腺組織と深いところで連続していることが疑われる場合、画像診断等を含め乳腺外科等で手術した方が安全と思われますので専門施設をご紹介しています。
健康保険には副乳切除という項目がありません。このため保険で手術しようとすると、皮膚、皮下、あるいは軟部組織の腫瘍(例:脂肪腫)として扱うか、乳腺組織として「乳腺摘出」とするか、疑義が生じます。過去に大江橋クリニックで行った場合は症状を詳記しても理由不明で減額査定されるなど不快な経験をしており、自費手術とするか乳腺外科ご紹介となります。副乳頭のみで深部に乳腺組織のふくらみのない、局所麻酔で簡単に摘出手術可能な場合はこの限りではありません。