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術前開瞼 術後開瞼

※ 手術の一例: 自然な重瞼ラインを希望 ▶︎ 術前→術後18ヶ月 眉が下がり額のシワも減少し、おとなしめの重瞼ラインになりました

眼瞼下垂(がんけんかすい)

術前右 術後1週右 術後5ヶ月右 術前左

※ 手術の一例: 右のみの眼瞼下垂 ▶︎ 術前 → 術後7日(抜糸時)→ 術後5ヶ月 → 手術していない左側 半年でほぼ左右対称になりました

眼瞼下垂症の診察の流れ(初診時)

1 初診診察時間内においでください

眼瞼下垂の診察には時間がかかります。できるだけお早めにお越しください。午前中の方が比較的ゆったりと診察を受けていただけます。診療終了間際においでいただいた場合、検査や予約を当日にお受けできないことがあります。

  • 眼瞼下垂専用問診票にできるだけ詳しく情報を記入していただきます。
  • 診察室でお話を伺うとともに、症状を詳しく診察します。
  • 場合により、瞼の写真を撮ったり、瞼のサイズを計測します。
  • 手術適応か、保険適用できる症状か、他の病気を疑うか、などを説明します。
2 健康保険の手術をお勧めする場合

手術日のご相談に移ります。通常1ヶ月先程度のご予約になりますが、季節や状況によっては数ヶ月先まで予約が埋まっていることもあります。

  • 診察日現在で予約が取れるおよその日程をご案内します。
  • 手術日が確定できない場合、一旦お帰りいただき予定を調整していただきます。
  • 手術日時を確定できる場合、コンピュータ上で予約を登録します。
    (予約料が発生します。予約料は自費で2,000円+消費税です)
  • 手術日がおよそ1ヶ月以内であれば、血圧測定、血液検査を行います。
    (血液検査料がかかります。健康保険適応でおよそ2,000円程度です)
  • 写真撮影や詳しい計測が必要であれば、追加して行います。
  • 説明書、同意書を用いて注意点を説明し、待合室で再度お読みいただいて、チェック欄ににチェックを入れご署名をいただきます。
  • 同意書を受付にお持ちいただき、チェック欄を確認の後コピーをとって書類はお返しします。
  • 予約は完了です。診察料等を精算後、診察券をお渡ししますので同意書とともにお持ち帰りください。
  • 手術日当日にご来院ください。(必ず保険証をお持ちください。)心配な点ができたり予定が合わなくなった場合は、もう一度診察を受けてください。

手術日まで期間が空いている場合は、およそ手術日1ヶ月前までに再度受診していただき、その際に血液検査や同意書説明を行います。手術日を決めた時に予約料がかかります。

3 眼瞼痙攣、眼筋麻痺、上転障害など他の疾患を疑う場合

眼瞼下垂の症状はないが、瞼の運動に異常や障害が認められる場合、症状によって適切な専門施設をご案内し、必要であれば紹介状を書き、予約を取ります。

  • 眼科、神経内科、心療内科、精神科など、適切な診療科が他にあることをご説明します。
  • 当クリニックと交流のある施設や医師の専門性や治療の概略などをお話しします。
  • お近くの医療施設が適当であれば、その旨ご案内します。
  • 診察の概要や診断の根拠などを書いた紹介状を書くことにして、診療情報提供料をいただきます。(通常その場ですぐには書けないため)
  • 地域医療センター等で予約が取れる場合は、当クリニックから予約を取ります。(その際通院可能な日時を伺い確認します)
  • 紹介先住所等の情報と予約票をお渡しします。
  • 通常、紹介状がかけた時点で、紹介先の医療機関にFAX、郵便等で紹介状を直接送ります。
  • 先方からの予約票等が診察当日間に合わない場合、お渡しできるようになった時点でご連絡を差し上げます。
  • 紹介先を受診されると、通常紹介先より当クリニックに返信があります。

眼瞼下垂症(先天性、老人性、腱膜性等も含む)の診断

基本的には瞼の動きを見て診断します

 眼瞼下垂の診断法として、目薬を差したり、瞼におもりを貼付けたり、心理テストを行ったりする医療機関もありますが、大江橋クリニックでは原則的に臨床症状と瞼の動きをもとにして診断します。自覚症状も参考にしますが、ご本人の訴えのみで病名をつけることはありません。

自己診断は危険です

最近は「私は眼瞼下垂です」とご自身で病名を決めてこられる方も多くなりましたが、その場合でも診察の上判断させていただきます。(診断がつきにくい場合や、他の眼科的、神経内科的な病気が疑われる場合は、それぞれ専門の眼科医等をご紹介し、受診していただきます。)

眼瞼挙筋の動きを計測します

最も大切と考えているのは、眼瞼挙筋の機能(下方視と上方視との動きの差)と前頭筋の機能(眉の動き)ですが、その他上下の瞼の形態や眼輪筋の動きなども参考にしますので、診察時には瞬きをしたり上や下を見たり強く目をつぶってぱっと開いたりというようないろいろな動きを何度もしていただきます。
また、物差しを当てて手術に必要な各部位の計測をさせていただきます。

診察のときにお聞きするポイント(一部は問診票にご記入いただきます)

  • 子供の頃はどうでしたか? 家族に同じ症状の方はいますか?(家族性・遺伝性)
  • 何年ぐらい前から気になってきましたか?(発症の時期と進行速度)
  • 最近写した写真の写り方はどうですか?(鏡を見る事によるフィードバック)
  • 朝と夜では症状の違いがありますか?(疲労や筋無力症の評価)
  • コンタクトレンズは使用していますか? 何年ぐらい使っていますか?
  • 花粉症やアトピー、瞼のかぶれなどの症状はありますか?(機械的刺激)
  • アイプチは使用していますか? マスカラはどうですか?(機械的刺激)
  • 重瞼(ふたえまぶた)を含め眼や瞼の手術を受けたことはありますか?
  • 視力はどれくらいですか? 左右差はありますか?(廃用性の下垂)
  • 肩こりや頭痛などの自覚症状はありますか?(自律神経症状の程度)
  • まぶたのマッサージなど、強く擦っていませんか?(機械的刺激) 等々
眼瞼下垂の診断ポイント(一例)
  • 正面視の際の左右差(斜視の有無や眼球そのものの位置も参考にします)
  • 上眼瞼の下縁(まつげの生え際)が角膜に被さる量(狭義の眼瞼下垂の評価)
  • 眉の位置(特に眉骨との位置関係)と額の皺の程度(前頭筋の評価)
  • 眉と睫毛の生え際の距離(皮膚が伸びているかどうか)
  • 重瞼ラインの位置と深さ(腱膜の下端が後退しているか)
  • 瞼の上、眉の下の陥凹の程度(外眼筋全体の緊張の程度)
  • 下眼瞼のふくらみの程度と開瞼で増強するかどうか(懸垂靭帯のゆるみ)
  • 角膜下縁と下眼瞼上縁の距離(いわゆる三白眼の程度:下眼瞼の下垂の有無)
  • 上方視したときに瞳孔が隠れる程度(上直筋と眼瞼挙筋の関係)
  • まばたきの頻度、眼瞼けいれんの有無(自律神経の緊張の評価)
  • 瞼の皮膚の厚さや硬さ、脂肪の量、涙腺の位置(物理的な重量) 等々

代償 という考え方 一見症状がなくても眼瞼下垂といえるか

形成外科においては眼瞼下垂をより広範な病態としてとらえ、一見瞼があまり下がっていなくても、このページに述べられているような症状が揃えば眼瞼下垂であると診断します。この場合、瞼が下がっていないのは、眼瞼挙筋の機能を周辺にあるその他の筋肉が肩代わりし「代償している」と考えるわけです。

代償されていれば視機能は一応保たれているのだから手術の必要がない、という考え方もありますが、この場合、眼瞼周辺の筋肉の緊張が高まり、その結果として疲労感、肩こり、頭痛、抑うつ感などが出現し、患者さん本人は非常に辛い思いをします。手術によってそれらの症状が改善するのならば、手術する意味があると考えられます。
そこで、「代償期」であっても、眼瞼下垂症手術の「相対的適応」と考え、健康保険の範囲で手術を行なうべきだというのが、形成外科における眼瞼下垂の一般的考え方です。

眼瞼下垂Q&A(1) 眼瞼下垂Q&A(2) 眼瞼下垂Q&A(3) 眼瞼下垂Q&A(4) 眼瞼下垂Q&A(5)
眼瞼下垂の診察 眼瞼下垂の診断 眼瞼下垂の治療 眼瞼下垂手術の経過 眼瞼下垂のはなし

眼瞼下垂手術 ここが気なる

Q&A
Q and A Part 1: 診断(1)
私の症状は眼瞼下垂?
眼瞼下垂の確定診断に至る道筋は、医師の考え方や技量により様々です。ある医師の診断を他の医師が否定することも、医療では稀ではありません。まず信頼できる医師の診察を受けましょう。
一般的に眼科では黒目(角膜)の上方が瞼に隠れている程度(MRD1の数値)で診断する事が多いのですが、大江橋クリニックでは必ずしもMRDのみにはこだわらず総合的な症状で診断しています。詳しくは → こちら
MRD1
MRDとはなんですか?
右図のように瞳孔の中心と上下の瞼の縁との距離を測り、上眼瞼との距離をMRD1、下眼瞼との距離をMRD2としてmmで表した数値で表現します。
MRDは margin reflex distance の略です。眼科用顕微鏡で覗いた時瞳孔の中心が反射光で光るために、瞳孔中心をreflexと表現します。
保険は効きますか?
眼瞼下垂の症状が認められれば、軽症であっても保険の適応はあると思います。ただし、ご本人が眼瞼下垂であると自己診断してこられても、客観的な症状が認められない場合、保険の適応をお断りすることもあります。
詳しくは → こちら
Q&A
Q and A Part 2: 手術(1)
片方だけ手術できますか?
両方に症状がある場合、通常は左右同時に手術することをお勧めします。左右差も生じにくく、ダウンタイム(腫れや内出血が目立つ期間)も短くて済みます。
片方の瞼のみに症状がある場合には、もちろん片側だけの手術となります。
片側の手術
手術した側が開きすぎて困りませんか?
両側眼瞼下垂に対して片側のみ手術を行った場合、手術しなかった方の瞼が術前より下がることがあります。特に重症の下垂に対して強めの前転を行うと、右図のようになてしまうこともあるようです。
控えめな矯正に止めることで、左右差を目立たせなくすることはある程度可能です。下記の症例写真を参照してください。
男性ですが不自然なぱっちり二重になりませんか?
通常は、生まれつきある重瞼ラインを目安に切開しますが、この場合時間が経つと幅狭の控えめな重瞼に落ち着くことが多いようです。
二重の幅を指定できますか?
重瞼美容目的で重瞼幅を広くとりたいなどのご相談は、切開ラインの調整である程度可能ですが、通常の術式内でご要望に応えることが難しい場合は美容手術として自費(保険適用不可)とさせていただくことがあります。

両側眼瞼下垂の男性に対し、希望により片側のみ手術を行った症例

片目だけ手術を行っても手術した側が不自然にぱっちりするなど極端な左右差は出ないこと、男性の場合、はでな重瞼ではなく控えめな方が自然に見えること、などを示すため、男性の片目の症例を並べて掲示します。
もちろん両眼同時に行った方が結果は良いことが多いです。
手術しなかった側の眼瞼下垂は術後やや進行したように見えます。(眉が上がってきていることに注目してください)

術前開瞼 術後開瞼

※ 両側眼瞼下垂 右側のみ手術希望 ▶︎ 術前→術後7ヶ月 手術しない左側に合わせて自然な開き具合になりましたが、左の眉が上がりました

術前開瞼 術後開瞼

※ 両側眼瞼下垂 左側のみ手術希望 ▶︎ 術前→術後3ヶ月 写真にポインタを重ねると眼を閉じた状態に変わります

Q&A
Q and A Part 3: 手術(2)
麻酔は痛い?
手術中に目を開けていただくこともあり、静脈麻酔など意識レベルの低下する麻酔は行いません。
局所麻酔でお受けいただきますが、できるだけ痛くない工夫をしています。詳しくは → こちら
ガーゼは何日間?
出血防止と腫れを抑えるため、当日はしっかりと圧迫ガーゼを当ててお帰りいただきます。
翌日問題なければ小さなジェルシートに変更し、3日目からは通常何も貼りません。
顔はいつから洗える?
手術翌日に診察し、出血が止まっていれば翌日から濡らせるようになります。目の周りを除き、化粧も可能です。
抜糸は何日め?
通常の経過であれば1週間目に全抜糸します。術後3日目からは糸が付いていますが何も貼らずにお過ごしいただきます。細い糸を用いて連続縫合しますので、むき出しでもあまり目立ちません。詳しくは → こちら
コンタクトレンズはいつから使用できますか?
基本的には抜糸後1週間経過して問題がなければ使用を許可しています。傷の治り方により3週目程度まで我慢していただくこともあります。

眼瞼下垂症の診察

眼瞼下垂症(先天性、老人性、腱膜性等も含む)の診断

基本的には瞼の動きを見て診断します

 眼瞼下垂の診断法として、目薬を差したり、瞼におもりを貼付けたり、心理テストを行ったりする医療機関もありますが、大江橋クリニックでは原則的に臨床症状と瞼の動きをもとにして診断します。自覚症状も参考にしますが、ご本人の訴えのみで病名をつけることはありません。

自己診断は危険です

最近は「私は眼瞼下垂です」とご自身で病名を決めてこられる方も多くなりましたが、その場合でも診察の上判断させていただきます。(診断がつきにくい場合や、他の眼科的、神経内科的な病気が疑われる場合は、それぞれ専門の眼科医等をご紹介し、受診していただきます。)

眼瞼挙筋の動きを計測します

最も大切と考えているのは、眼瞼挙筋の機能(下方視と上方視との動きの差)と前頭筋の機能(眉の動き)ですが、その他上下の瞼の形態や眼輪筋の動きなども参考にしますので、診察時には瞬きをしたり上や下を見たり強く目をつぶってぱっと開いたりというようないろいろな動きを何度もしていただきます。
また、物差しを当てて手術に必要な各部位の計測をさせていただきます。

診察のときにお聞きするポイント(一部は問診票にご記入いただきます)

眼瞼下垂の診断ポイント(一例)

代償 という考え方 一見症状がなくても眼瞼下垂といえるか

形成外科においては眼瞼下垂をより広範な病態としてとらえ、一見瞼があまり下がっていなくても、このページに述べられているような症状が揃えば眼瞼下垂であると診断します。この場合、瞼が下がっていないのは、眼瞼挙筋の機能を周辺にあるその他の筋肉が肩代わりし「代償している」と考えるわけです。

代償されていれば視機能は一応保たれているのだから手術の必要がない、という考え方もありますが、この場合、眼瞼周辺の筋肉の緊張が高まり、その結果として疲労感、肩こり、頭痛、抑うつ感などが出現し、患者さん本人は非常に辛い思いをします。手術によってそれらの症状が改善するのならば、手術する意味があると考えられます。
そこで、「代償期」であっても、眼瞼下垂症手術の「相対的適応」と考え、健康保険の範囲で手術を行なうべきだというのが、形成外科における眼瞼下垂の一般的考え方です。

これは

眼瞼下垂症状が全くなくても眼瞼下垂の手術が保険でできる

という意味ではありません(重要)

代償期であっても詳細な診察によって隠れた眼瞼下垂症の客観的症状は明らかになります。肩こりなどの患者さんの主観に基づく訴えだけで診断することはありません。詳しくは下記を参照してください。

一般的な眼瞼下垂の定義について

眼科による眼瞼下垂の診断

 眼瞼下垂とは文字通り「瞼が下がってくる」状態を指しますが、一般的に眼科では瞳孔が遮られる事によって「視機能が損なわれる」ことをもっとも重視するため、角膜中央部に瞼がどの程度被さってくるかを基準に、

のように分類します。従って、軽症のものや一見瞼が下がって見えないものは「眼瞼下垂ではない」「軽度で手術の必要がない」と診断されがちです。

他院のサイトに掲載されている症状の説明図(例)
眼瞼下垂の症状 眼瞼下垂の症状 眼瞼下垂の症状 眼瞼下垂の症状

さの眼科(佐賀市)、町田美容皮膚科形成外科、ユニタ整形外科・形成外科クリニック、プレッツァ聖心美容クリニックのサイトより一部改変引用(引用元サイトとの利害関係はありません)
※ これらの説明図は、すべて単なる模式図です。単に瞼の開き方の大・中・小のイメージと捉えた方が良さそうです。

形成外科では隠れている症状も見逃しません

しかし形成外科では、眼瞼下垂の症状をより広く捉え、一見重症に見えなくてもいろいろな症状が隠れているのではないかと考えます。
詳しくは上の「代償」についての項目をご覧下さい。

形成外科で重視する眼瞼下垂の症状

例えば上の症例写真に挙げた患者さんの場合には、以下のような症状が見られました。
眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂の治療法と適応

眼瞼下垂の手術は、先天性で筋肉の働きがほとんどない場合と、後天性で瞼の開閉自体には支障がない場合とで大きく異なります。
そのため眼瞼挙筋機能の評価は、とても重要なポイントです。

当院では、先天性の一部のものを除き、基本的に眼瞼挙筋短縮/前転法を基本とした術式を用いています。
症状により、腱膜のタッキングのみを行ったり、眼輪筋・脂肪組織の切除を追加したりしますが、保険適応となる症状であれば(吊上げ法による手術を除き)術式によって費用が異なることはありません。 
(手術に際しては美容的な側面にも十分注意を払いますが、重瞼幅何ミリ等の細かなご注文には一部応じかねる場合もあります。)
先天性の場合でも、いくらかでも筋肉の働きがあれば、通常はまず「挙筋短縮/前転法」が適応になります。しかしこの方法で効果がない場合は「吊り上げ法」による手術が必要となります。

眼瞼挙筋の機能評価

先天性の重度の眼瞼下垂では、眼瞼挙筋の完全欠損、または非常に菲薄化して収縮力の全くない場合、脂肪変性に陥って筋線維が乏しい場合などがあり、この場合は挙筋を前転しても収縮の強化が期待できないので最初から筋膜や人工物による吊上げ術を行なうべきだとする考え方があります。

しかし、横走靭帯が欠損していない限り、挙筋前転法と同じ方法で瞼板を靭帯に固定して吊り上げる手術が可能です。
この方法では吊上げ効果は限られますが上眼瞼のカーブが自然に保たれるので外見上の違和感が少なく、術後の回復も早いのでまず試みるべきでしょう。

挙筋機能があれば、前転の程度により開瞼をある程度コントロールできます。

多くの後天性(大人になってから症状が出てくる)眼瞼下垂では、挙筋機能は全く正常である場合がほとんどなので、タッキングのみでも症状は劇的に改善します。
しかし、やや古い術式で手術を受けた患者さんの再手術では、様々な重要部品が切除されたり切断されたりしている事が多く、必ずしも思い通りの手術ができるとは限りません。

手術法について

  1. 手術台に仰向けになり、写真撮影とマーキングをします
  2. 色のつかない消毒液で顔の消毒をします
  3. 顔の上に目の部分だけ丸い穴の開いたシーツをかけます
  4. 片方ずつ(通常は右から)計測してインクで印を付けます
  5. 目尻側の皮膚の表面から徐々に内側に向けて麻酔の注射をします
  6. 印を付けた部分の皮膚と眼輪筋をメスで切開し、必要な幅を切除します
  7. 眼輪筋の一部と瞼板前組織を睫毛の生え際近くまで切除します
  8. 切開線の上下に糸を掛けて手術部位を展開します
  9. 眼窩隔膜と眼瞼挙筋腱膜の接合部を見つけ、位置を確認します
  10. 必要であれば隔膜を切開し、結膜と眼瞼挙筋腱膜を剥離します
  11. 眼瞼挙筋腱膜を必要なだけ前転して瞼板に縫合します(通常は3箇所)
  12. 目の開き方を確かめてから牽引糸を外し、切開部を連続縫合します
  13. 通常はガーゼとテープで厳重に圧迫固定して終了します

術後の経過とケアについて

  1. 手術当日は顔を洗えません(洗髪、入浴等も控えていただきます)
  2. コンタクトレンズは約2週間お休みいただきます
  3. お渡しする内服薬は必ずすべて飲みきってください
  4. アイメイクは抜糸まで1週間程度お休みください
  5. 当日よりも翌日の朝の方がまぶたは腫れます
  6. 保冷剤などで患部でなくその周囲を冷やしてください
  7. マッサージやエステは腫れが引くまで行わないでください
  8. むくみをとる目的での利尿剤の服用は逆効果になります
  9. 翌日に診察を受けて異常のない事を確認させてください
  10. 腫れや傷跡の赤みは人により数ヶ月続く場合があります
  11. タバコは傷の治りを極端に遅らせますので術後のみでなく術前もお勧めしません
  12. 食事の制限はありませんがアルコールは控えてください
  13. 腫れが引くと二重の幅は徐々に狭くなります

眼瞼下垂症手術の実際

以下の症例写真は、2009年に手術をした患者さんからご承諾をいただいて掲載するものです。

手術の結果には個人差がありまた、同じ患者さんの左右の瞼でも筋肉の発達や組織の厚さなどにはかなり差があります。従って、実際には1回の手術で完全に左右差を解消する事はかなり難しく、再手術が必要となる事もあります。しかし、術後の安静が保て、経過が良ければ、以下のようにかなり早期に腫れが引いて日常生活に戻れます。

術前
術前開瞼 術前閉瞼

上の写真で解説した患者さんの写真です。目を閉じても左右差があるのがわかります。右も軽度の眼瞼下垂ですが、今回は左瞼のみの手術を行ないました。

術後(翌日)
術後開瞼 術後閉瞼

手術翌日に一旦テープを外した際の写真です。しっかりと瞼の筋肉を前転しているので、目が閉じにくく、また開いた時は睫毛が上を向くほど吊り上がっています。(固定ガーゼを外した直後のため跡がついています。)

術後(4日目)   および    術後(7日目:抜糸直後)
術後開瞼 術後開瞼

4日目には腫れてはいますが異様な感じはなくなってきています。眉も下がってきました。

右は7日目抜糸直後の写真ですが、左が眉を上げなくても楽に開くようになったため、両側の眉が下がり、今まで目立たなかった右の眼瞼下垂が顕在化してきました。(いずれもドライアイによる結膜充血が生じています。)

術後(18日目)   および   術後(1ヶ月目)
術後開瞼 術後開瞼

術後約2週間半、18日目です。まだ腫れていますがむしろ手術した左側の方の眉が下がり、反対に手術していない右の眉が上がってきました。

術後(3ヶ月目)
術後開瞼 術後閉瞼

術後3ヶ月目の診察の際の写真です。ようやく左目もしっかり閉じられるようになりました。
腫れも引いて左右の大きさもほぼ揃いましたが、わずかに右側の方が眉が上がり、瞼も下垂しています。

術前と術後3ヶ月目の比較 (写真にカーソルを合わせると画像が変化します)

術前開瞼 術後開瞼

3ヶ月目の時点での比較です。まだこれからも腫れが引いて傷も目立たなくなって行きますが、大まかな腫れはほぼ落ち着いてきました。左側の術前の写真にカーソルを合わせると、術後との比較ができます。右側の写真では、術後に瞼がきれいに閉じている事が確認できます。傷痕はやや目立ちますが、位置の左右差はあまりないので不自然ではありません。

その後の術後経過(4ヶ月目、5ヶ月目)
術後開瞼 術後閉瞼

その後の術後経過を追加しましたが、大きな変化はありません。
上の写真とは異なり、写真の編集の際に瞳孔の位置や左右の角度などをそろえるための微調整していませんので、写真撮影時の顔の傾きなどのため、若干眉の位置が上下して見えます。参考写真としてご覧下さい。

その後の術後経過(7ヶ月目、11ヶ月目)
術後開瞼 術後閉瞼

同様に術後7ヶ月目と11ヶ月目の写真を並べてみました
撮影時刻やご本人の体調などにより、若干の変化はありますが、ほぼ落ち着いています。手術していない右の眉が少しずつあがってきているように見えます。

Q&A
Q and A Part 4: 手術(3)
眼瞼下垂の手術で視力に悪影響はありますか
結膜を切開したり糸で縫合したりした場合、一過性に角膜と密着しなくなったり、かすみ目などの症状がでることはあるようですが、通常は眼瞼下垂の手術による視力低下は起こりません。
抜糸はいつごろするのが良いですか
医師によって縫合の仕方も違うため、早いところで術後5日目、遅いところで2週間くらいのようです。大江橋クリニックでは、基本的に術後7日目に全抜糸を行なっています。
抜糸までは顔は洗えないのですか
当日のみ不織布ガーゼによる圧迫固定を行ないますので濡らせません。翌日受診していただき、出血が止まっていればこすらないで泡洗顔していただけます。
症例写真より腫れる事はありますか
予定通り手術が終わり圧迫固定がきちんと行なわれればこの程度ですが、術後の姿勢や日常活動状態、飲酒喫煙(術前を含む)、持病、その他によって腫れが引きにくかったり内出血を生じる方もいます。
再手術が必要になる可能性は
誠に残念ながらすべての人がベストの結果になるわけではありません。重瞼手術を過去に受けていた方や、軽度の先天性眼瞼下垂が(片方に)あったと推定される場合など、左右差が気になる方もいます。その場合は半年以上間隔を開けて調整手術を行ないます。
Q&A
Q and A Part 5: 術後の腫れ(1)
術後の腫れが長引く原因はわかりますか
一般的に瞼の厚い人は腫れが長引きます。また過去に瞼の手術(二重の手術なども含む)を受けた方は、回数を重ねるごとに腫れの程度が強くなります。花粉症やアトピーなどアレルギー体質の方も一般的に腫れが引くのが遅くなる傾向があります。
早く腫れをひかせる方法はありますか
抗アレルギー剤やリザベン(トラニラスト)など術後の腫れに効果のある内服薬があります。マッサージや湿布などは逆効果になることがあります。
眉下で切開すると腫れないというのは本当ですか
腫れる場所が異なるため目立ちにくいということはあるかもしれません。しかし眉下切開では綺麗な二重のラインが作れないため、結局は再手術する人が多いようです。
1週間仕事を休めば大丈夫でしょうか
通常1週間目に抜糸する頃には異様に腫れた感じはなくなっています。ただ個人差が大きく一概にお約束することはできません。
腫れを防ぐために事前にできることはありますか
コレステロールや中性脂肪などの値が高い人は内科の診察を受けてきちんとコントロールしてください。アトピーや花粉症の方も内服と塗り薬で皮膚炎を治すことが大切です。高血圧、糖尿病など持病のある人もまず体調管理をお願いします。

編集中